医師:小澤竹俊さんの著書の中の言葉より引用したいと思います。
今、私が読んでいるのは、『もし あと1年で 人生が終わるとしたら?』と
『折れない心を育てる いのちの授業』
両方とも介護の話ではないのですが、介護者にも通じるものがありますので載せますね。
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本の中の言葉をそのまま載せます。
◆苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいると嬉しい
◆ユキさんがはるかさんの苦しみをすべてわかることなど、無理だということです。
◆相手を心配することは、すべての始まりです。
◆相手を選んでいます。わかってくれそうな人だけに、自分の話をします。
◆アドバイスなんて、何にもいらない。ただ、自分の不安な気持ちや悔しい思いをわかってくれる人がいるだけで、嬉しい。
◆ずっと1人で頑張らなければいけないと思っていた
◆今まで生きてきて、つらかった時や苦しかった時、支えになったものはありますか?
◆人はうまくいっている時には、自分をささえてくれている誰かがいることに気づきません。ところが、大きな困難や苦しみを抱えた時、自分にたくさんの仲間がいることに気づきます。
◆今は1人で外出もできない私でも、誰かに喜んでもらえる。こんな私でも、私のことを認めてくれる人がいる。
◆人は、誰かの役に立てる時に、自分のことをよくできましたと認めることができます。しかし、役に立たない時は、自分のことを認めることができず、苦しむことがあります。しかし、たとえ何もできないとしか思えない苦しみを抱いていたとしても、その人のことを心から認めてくれる誰かとのつながりは、『これで良い』と自分の存在を認め、『これで良い』と自分の存在を許してくれる確かな力になるでしょう。
その支えこそ、これからを生きる大きな力になります。
◆死を目の前にして、怖いと言う人もいれば、怖くないと言う人もいます。
◆支えが死を目前にした人を穏やかにする。
◆私にも、そのような力があるのでしょうか?
◆苦しむ時には気づかなかった大切な支えに気づいたならば、きっと信じられない力を持つことができるでしょう。
◆例えば、支えの一つは、将来の夢です
すると、その夢を実現するために、今を生きようとする力がわいてきます。
◆支えは、将来の夢だけではありません。関係としての支えもあります。
その人のことを心から認めてくれる誰かとのつながりを感じる人は、強くなることができるのです。
◆支えとなる関係は、目で見える人だけではありません。たとえ、目に見えない存在になったとしても、心と心のつながりがしっかり築けていれば、支えとして成立します。
◆そして、支えには、もう一つ、選ぶことができる自由という支えがあります。
◆人は生きていく上で、避けることができない苦しみを抱えながらも、はたして穏やかになれるのでしょうか。そうなるために大切なものは、将来の夢、支えとなる関係、そして、これから紹介する選ぶことができる自由です。
◆人にとって選べないことは、耐えがたい苦痛だからです。
◆自分の生き方を自分で選んでいく
◆自由はお互いに認め合うことが大切です。
◆どれほど努力しても、すべての苦しみをゼロにはできません。それは、医療の現場で目(ま)の当たりにしてきました。
◆人の命に関わることは、決してきれいな話だけではありません。どんな励ましの言葉も通じません。どれほど力になりたくても、力になれず、苦しむことがあります。たとえ、治す技術を持った優秀な医師であったとしても、死を前にした人の前では無力です。時間を過去に戻すことはできません。失ったものを回復することもできません。唯一、できることは、苦しむ人とともに苦しむことでした。
そして、その経験から、苦しみは決して負の要素だけではなく、苦しむ前には気づかなかった大切な自分の「支え」を知ることで、自らの困難と向き合い、自分を大切に思えたり、人に優しくなったりすることができることを学び、子どもたちに伝えてきました。