5/3 ケアラーの人生も 大事にしたい(朝日新聞より)

2025年5月3日(土)の朝日新聞朝刊、「くらし」欄

全部載せたいくらいなんですが、抜粋して載せます。

町 亞聖(まち あせい)さん・谷川直子さん対談(下)」

**********

◆死ぬ前に人の体には様々な変化があります。口の中にカビがはえたり、まひした足はがりがりなのに、動かせた左足だけに浮腫が見られたり。そうやって命は終わっていく。

◆母は意識がなかったはずなのに、最後に目を開けて、父を見てにこっと笑った。波がすっとひくように命が閉じていきました。

◆自分が病気になる時に向けても、母と父のおかげで心構えはできています。頼れる医療や介護の仲間もたくさんできました。大切なのは選択肢を持つこと、そして場所ではなく「人」です。

◆谷川直子著『その朝は、あっさりと』(朝日新聞出版)

これは老衰介護看取り小説です。長寿の最期、延命治療しないとこういうふうにあっさりと死ねると、事実に基づいて書きました。

介護をしていると、足の形がそっくりだと気づいて、受け継いだDNAをふとリアルに感じたりする。介護は親の一生に思いをはせることができる最後のチャンスかもしれません。

◆町 亞聖著『受援力』(法研)

言いたいことはたった一つ、一人で抱え込まずに、せっぱつまる前に「助けて」とだれかに言ってほしい。「受援力」は困った時に助けてと言える力のことですが、私自身、受援力がまだ足りていません。

◆全てのケアラーに伝えたいのは、「自分の人生を大事にすること」。そのために誰かを頼っていいんです。大人が「助けて」と言えなければ、子どもたちも声を上げられません。みなさん、受援力を私と一緒に育(はぐく)みましょう。