朝日新聞9/17「くらし」介護編より

朝日新聞朝刊 9/17 「老いて行く親と私 介護編」 一部分そのまま引用します

◆後悔したくないから ㊦

・・・淡々と、仕事の延長のように・・・

「看護師のクミコさん(59)が認知症の母親(75歳)を介護して4年になる。当初は複雑な思いもあった。

小学3年生の時、父(83)は母と再婚した。1年後に弟が生まれると、母はその子ばかりかわいがった。

(途中省略)

母は「弟を大学に行かせたいから、あんたに使うお金はない」と言った。

それなら、自分のお金で勉強できる学校へ行こう。看護学校に進んだ。働きながら勉強し、卒業後は寮に入って働いた。がむしゃらに働き、結婚し、子育てをし、ここまでやってきた。

コロナ禍に見舞われると、看護師のクミコさんに「ばい菌や。うちには来ないで」と母は言った。それでしばらく実家には行かなかった。そこへ父からのSOSだった。

(途中省略)

いま、母の介護を淡々としている。仕事の延長のような気がする。

「ありがとう」と母に言われたことはないし、感謝されているかはわからない。それでも自分の意志で介護しているのだから、かまわない。

(途中省略)

介護はひとりで抱え込まない。全力で走らない。それがヒケツだと思う。

デイサービスなどを利用し、友だちと海外旅行にも行った。人生を充実させたい。自分の人生だから後悔したくない。そう思う。」