◆5/5 夜
毎日やってること、夕食の前に、車いすに乗せ洗面
所に連れていき、手をごしごし洗ってやる。
ティルト式リクライニング車いす(つまり簡易式の
車いすではなく、寝たきりの人用の車いす)なので、
決して広くない(わが家の)廊下や洗面所だと、通
るのもやっとだ。
狭い洗面所の入口から、やっとのことで車いすを入
れる。そこに私が通れるすきまがない。
あっちぶつけ、こっちぶつけ・・・をして洗面所に
到達するので、低い壁は車いすの足の方で、高い所
は押す人が持つ車いすの取っ手でぶつけている=壁
のなまきず?が絶えない・・・。
母が生きてるうちはリフォームはできないな~。
きれいにしても、どうせぶつける。
この家は車いす用にはできてない。設計が悪い。
マンションの各部屋のドアも、引き戸の方がよいの
ではないか・・・とつくづく思う。
さて、車いすを洗面所に入れたら、私が通れるすきま
は無し。一回りして台所側からでないと、私は母の世
話(や作業)ができない。
マンションで洗面所に2ケ所、ドアがある方が珍しい
のではなかろうか。孫が来ると、洗面所も部屋もぐる
ぐる走り回って遊んでいる。
さて、その洗面所で母の手を綺麗に洗ったあと、うが
いを何回も何回もやってもらい、目やにがくっつかな
いように、コップの水を(うがい同様の要領で)眉間
から流す。ちょっと荒療治?だけど、洗面所に平行に
しか車いすを並べられないので、そうする。
3月は、眼科に連れていきたかったほど、母の目やに
がくっついていた。今は眼科も行くのが怖い。家で治
すしかない。まずは目と目の周りの清潔を保つこと。
眉間からコップのお水をちょろちょろ流すことによっ
て、顔や目の汚れが落ち、少しずつ良くなった。
訪問医にはアレルギーの目薬を処方してもらった。
5/5
母、しっかり夕食を食べた。びっくりするほどよく
食べた。寝たきりの人でも、歯が30本もあるとなん
でも食べられていいな~と感心するほど食べた。
ただ・・・最後だけ・・・ちょっとへん。
のどがごろごろ、がらがら、ぐるぐる言い出した。
なんだか・・・急に
飲み込み方を忘れた(みたい)。
のどの奥の方で、うがい(らしき)音がする。
「ウン!って咳払いして、飲んでしまいなさい」
ごろごろごろごろ ぐるぐるぐる がらがらがら
「汚いな~、ゴックンって飲んじゃいなさい」
時々ある。急に飲み方を忘れる。
そのうち「ぐるぢー!」みたいな表情になった。
「吐きたい?」・・・(私)
車いすに座っている母が、どんどん前かがみになっ
てきた。ほんの何ccか、吐き出した。
「じゃあ、もう横になろうね」
ベッドに寝かせて横を向かせて、吐いてもいいように
ビニールシートと洗面器を置いた。(その後、吐きは
しなかった)
このところほぼ毎日、市販の浣腸したら、数時間後、
または翌朝までに、びっくりするような健康な便が
出てくる。今日はハッサク、今日は夏みかんのよう
に・・・。
その日は、食べ過ぎてお腹がいっぱいになっている
のに、まだまだ口を開けるから、まだ食べたいんだ
な・・・と(私が)勘違いして食べさせてしまった。
単なる食べ過ぎか?
母、顔色が蒼くなってきた。
でも・・・ついさっきまで食べられた人だからな~。
これまでもたくさん修羅場があった。
今回は命に関わることではなさそうだ。そんなに心配
しなくてもいいと思うよ。浣腸して便が出たら治るよ
と自問自答する。
タイマーを手元に置き、30分おきに母の部屋へ見に
行くことにした。
口をパカッと開けて寝ている。(笑)
大丈夫だね。
いつもなら噛んでもいいや・・・と友人が作った布
マスクをつけてあげてるけど、今日は顔色を見たい
のでマスクはつけなかった。
午後10時半くらいまで30分毎に何回か見に行ったけ
ど、毎回、口をパカーッと開けて何の悩みもなさそ
うに寝ている。大丈夫だね。
その後は私も寝てしまった。
◆5/6(水)
朝一に母の部屋を開けたら、ぷんぷん悪臭がしたの
で、ああ、きっといい便が出たのだろう・・・と思った。
大丈夫だね。生きてる。
まだ、こちらが本調子でない(=あたまボーの状態)
なので、再度横になって寝た。
9:15 38.6度
大きな、健康な便が出ていた。お見事!(毎日!)
排泄介助のときに母の足を持ったら熱いので、なに
かの間違いかと思った。おでこはそんなに熱くない。
再度測ったら、38.4度
な~んだ、熱があるんだ。
そういえば、昨日の朝も昼も暑かったようで、母、
何度もふとんを蹴飛ばした。行儀、悪いな~。
そんなに暑いなら・・・とタオルケットを掛けてあげた。
夕方、咳がこんこんと聞こえた。ほんの数回。
5/6 朝9時頃・・・母、まだ眠たそうだった。
綺麗な白い目やにがくっついていた。
水分摂ったら、また浣腸してみよう。便がいっぱい
溜まっているのかもしれない。
病院に入院しているときに使った吸い飲み?(正式
名を知らない)はすぐに出るので、それに水を入れ
最初150cc飲ませた。やはり体が熱いからか貪欲に
欲しがった。
◆笑い話
そのあと梅干しを1個食べさせ、ティシュを取りに
行ってる超!短い間に・・・不思議なことが起きた。
「お母さん、種は?」
「ないよ」
「梅干しだよ、種はどこ?」
「ないよ」
「ないわけない。口を開けてみせて」
「・・・」
「開けて、種はどこ? 」
「・・・」
「種は? 梅干しの種、どこにあるの?」
ティシュを取りに行ったのはほんの一瞬だよ。
母の枕元の周辺、あちこち探した。
「お母さん、種はどこ?」
「ない」
「飲んだの?」
「うん」
「うそー!」
これまでにも、後日、乾ききった種がとんでもないと
ころから出てきたことがある。
でも、今日は種を飲んだってかい?認知症の母の言う
ことは信じられないしな~。
飲めたら飲めたで、のどに詰まってない様子なので、
まいいか。ほんとかな~、たぶんウソだろうな~。
水をあと50cc飲ませた。
今日は水をしっかり飲めてるから、のどの詰まりは
ない様子。再度、浣腸をする。
9:55 夫が「お義母さん、梅干しの種を口の中で
転がしてるよ」・・・と。
「キャー]
わたくし、早速、ティシュをもって母の口を開けさせ、
種を取ろうとした。
そうしたら!
母、一生懸命、梅干しの種を死守した!
38.6度の高熱のある人が・・・梅干しの種を私に隠し、
死守していたってことは、元気ってことよね。
心配ご無用。
母と戦って、母の口から梅干しの種を取り出した。
私の勝ちー! いったい何の戦いじゃ?
次に行ったら、母、まだ口をくちゃくちゃさせていた。
口を開けさせたら、今度はティシュをくちゃくちゃ噛
んでいた。いや~ 懲りない女だな~。
10時過ぎ、
訪問看護師のHさんよりタイムリーにTELあり
「足が熱いというのは、足に蜂窩織炎(ほうかしきえん)
がないか、見てみて。ひつじさんの場合、以前そういう
ことがあったから」
9:15 38.6度 → 38.4
9:30 浣腸
12:00 37.4 下がったね
15:30 37.5 またまた健康な便が出た
水分200ccと、種をとった梅干しを与える
19:00 36.7度 夕食を普通に食べた
22:30 36.0度 下がりました
夫曰く
「38.6もあるのに、あれだけ元気だもん。梅干しの種を
出せって言っても出さない。十分に、元気な証拠だよ。
なーんも心配いらないよ」