だん・だんはこんな場所

以前の埼玉県社協の福祉広報 『S・A・I』クローズアップ

より引用

 

◆ひと時、肩の荷を下ろして

ほんのひと時、介護から離れてゆっくりと過ごすことが

できる場所、ケアラーズカフェ「だん・だん」。

介護者同士の情報交換の場として、時間を気にせず

おしゃべりをすることができます。

ここでの過ごし方は自由。

人とお話したくないという人は一人でお茶を飲みながら

過ごすことも、専門のスタッフに1対1でじっくりと話を聞

いてもらうこともできます。

思いつめた表情で初めてここを訪れた方は、スタッフを

前に抱えていた思いが噴き出し「つらい思いを離せる場

所があるとは思わなかった」と、一気に話し続けたそう

です。

介護者の多くは、「介護は自分が」という思いがあって、

社会的サービスを受けることは恥だとすべてを一人で

抱え込み、結果、ボロボロになってしまうといいます。

特に若い世代では、親の介護のために仕事を辞めざる

を得なくなると、社会とのつながりがなくなり、孤独感が

深まる傾向にあります。

さいたま市大宮区にあるケアラーズカフェ「だん・だん」は

介護者支援の活動をしている「ほっと・おおみや」のスタッ

フ20名がボランティアで運営しています。

 

代表の志村照子さんは「家族の介護に関する苦しい思い

は家族や親戚など身近な人に話すより、他人に話すこと

で解放される場合も多いんです。外に出ていくことができ

ないという人にこそ来てもらいたい」と言います。

また、ほかの人の話を聞くことで「自分だけじゃないんだ」

「そういう介護もあるんだ」と気づき、気持ちが軽くなり、

ここに何度か通ううちに皆さん笑顔になっていきます。

 

「ケアマネージャーや民生委員さんも一度見に来てくだ

さい。そして、こんな場所があることを、苦しんでいる人に

教えてあげてほしいです」と志村さんは話しています。