7/7 小澤竹俊先生の講演会

2016年3月NHKプロフェッショナルに登場

『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』の著者

 

◆NPO法人 緩和ケアサポートグループの設立10周年

記念講演会に参加    (東久留米で開催)

今日(7/7)は大学の関東支部同窓会なのだけど、こちらの

NPOの会員でもある私は、代表のKさんから誘われた時に

天秤にかけるまでもなく、小澤先生の講演会に行きます!と

宣言していた。

行ってよかった!

もちろんいいお話も聞けた。

でも、先生のすごいところは・・・最後・・・

こういう講演会を全国ですると来るメンバーはいつも同じ。

同じ専門家ばかりになります。回数を重ねても、顔ぶれ、

いつも同じになります。専門家ばかりいてもしょうがないん

です。これでは地域に全然広がらないんです。私たちが

高齢者になる頃は若い人もっと少ないんですよ。病気に

なっても病院では受け入れてもらえない時代、介護保険も

使えない時代が来るかもしれません。今のうちからもっと

もっと地域の人と共に、地域の人を育てて、地域の人に役

に立ってもらわないといけなくなります。

この映像を見てください。

(外国の緑あふれる坂のある公園・・・ステージなんかどこ

にもない場所で、みんな、ゆっくり座ってくつろいでいます。

数人のグループで食べたり、楽しくおしゃべりしたりして

います)

突然、上半身裸の男が一人で踊り出しました。一人で踊って

いるとバカみたいですね。でも、このバカは恥ずかしげもなく

いろいろなパフォーマンスをして一人で歌って踊って興じて

います。恥ずかしそうにしてないところが実にイイ。

さぁ、もう一人どこからか男がやってきました。さっきのバカと

一緒に踊りだしました。楽しそうですね。こうなると、あとから

来た男は何をするでしょうか?そうです。自分の友達を手招

きして誘っています。ほら、友達がやってきて一緒に踊りだし

ました。友達一人ではないですね、友達何人も来ましたね。

こうなると・・・もうバカな踊りではないのです。

みんな、手招きしたりして輪が広がり、自分から率先してどん

どん参加し始める人も現れました。みんな楽しそうですね。

ほら、あっちからもこっちからも参加して踊りだしました。

すごい集団になりましたね。

こうなると、もうバカ踊りではありません。

私たちの活動もこうでなくてはいけません。

専門家だけでは地域に広がりません。いろんな人を巻き込

んでやらなくては・・・超高齢化社会を乗り切れません。

・・・ってところに、私は大きな感動を覚えたのでございます。

この小澤先生ってすごい真面目な穏やかな顔と上品な仕草

をしてるのに、こんなバカみたいな映像、すごい集団(の輪が

できて)みんなで踊りだす映像を私たちに見せたことのギャッ

プ・・・発想の奇抜さというか、おもしろさをいっぱい感じました。

これぐらいすると人にわかりやすい描写になるんだな~と変に

納得いたしました。(笑)

 

でも、別のお医者さん(東久留米=ひがしくるめ)で開業してい

る医師でこのNPOが開催している「ふらっとカフェ」に参加して

いる医師は、最初のタイタニックの沈没船に似た映像に衝撃

を受けたらしく、超・高齢化社会にみんなで沈没しないように

われわれ(専門家)も「ふらっとカフェ」にどんどん参加して

一般のお客さんや患者さん、患者さんのご家族とどんどん交流

し、フラットな関係を築いていきたいデス・・・と締めくくっていらっ

しゃいました。

 

◆小澤竹俊先生

老いを生きる、病いを生きる、新たな″つながり”を求めて

 

いやいや、想像以上におもしろい先生。

びっくりしたと申しましょうか。

テレビ(2016年にNHKプロフェッショナルに登場)を見たり、

著書を何冊か読んでいるので・・・穏やかな人柄というのは

想像してますが、話すとあんなにおもしろい先生だとは・・・

あはは、全然知りませんでした。まあ、お話しが尽きないし、

楽しい。

クイズは出るわ、テレビドラマは細切れに出るは、松田聖子

の赤いスートピーの曲(2番の歌詞の最初)は流れるは・・・

他にもいろんな曲の一部だけが流れ、歌詞の意味することを

気づかせる。

ここには何が出てきますか? どこが苦しいですか? この中

のどこにガッカリしてますか? この人の本当に言いたいこと

はどこですか?・・・・と。

まあ、次から次に・・・クイズを出して私達に気づかせるわざ!

なんか、チコちゃんの「ボーっと生きてるんじゃねぇよー!!」

に似てるかも。

 

自分の気持ちを理解してもらった・・・と相手に思わせるには、

1つには相談者が言った言葉を「反復する」という方法がある。

しかし、私たち医療従事者や専門家はまず最初に失敗する

ことが多い。反復もできないで、何か立派なアドバイスをして

あげなくちゃ・・と思う人が実に多い。

相談者はその時点で、この人だめ、私の理解者ではない、

この人、信頼できない人だ・・・・と思って心を閉ざす。

ただ「反復」という技法だけをやっていればいいってものでも

ない。聞く時の態度がかなり影響を与えます。

これ、とても大事です。

 

あなたが、今、話しているとします。

あなたが話しているのに、目の前の人が相槌はうつけど、

目も合わせず、よそを向いていたり、違う作業していたり、

他に気をとられたり、ちょっとでも聞いてない素振りを見せ

たら・・・あなたは目の前の人を「この人、だめ、信頼できない

人だ」・・・と思いますよね。

さ、この曲を聞いてください。松田聖子の赤いスイートピーです。

(会場は笑いに包まれる・・・いったい何をするつもり? みんな

ワクワク)

 

◆赤いスイートピーの2番の歌詞がいきなり流れる

「 四月の雨に降られて 駅のベンチで二人

他に人影もなくて不意にきまずくなる。

何故 あなたが時計をチラッと見るたび

泣きそうな気分になるの 」

 

この部分で、曲はカチャッと切れて、小澤先生が即質問する。

「この人、どこが苦しいですか? 思い浮かべてください」

「雨が降ってますね。 隣に座ってる彼が・・・時計をちらっちら

っと見てます。泣きたくなる。どうですか? 想像つきますか?」

「そうですね、時計を見る態度が・・・その女性の気持ちを理解

しようとする態度ではありませんね」

 

これは、医療従事者だけでなく、すべてに通じるんです。

外来の患者さんや相談者に対して、訪問医療に行ってる患者

さんやご家族に対して、また、5分と会話が続かない夫婦の間

でも、どう解決すれば会話が続くか・・・

(相手の人にとって)自分をよき理解者だと思ってもらうには

どうすればよいか、ここでお分かりになるか・・・と思います。

 

皆さん、人から信頼してもらえる人になりましょう。

いくつになっても世の中に役に立つ人間になりましょうよ!!

 

(1)わかってくれる人がいると嬉しい。

苦しんでいる人は、自分のことを理解してくれる人がいると嬉しい。

 

つづく

 

小澤先生は、いつも

今日が人生最後の日だと思って生きています!とおっしゃって

いました。すごいです!