履きつぶした靴はありませんか

5/29(火)

久しぶりに家電(いえでん)にサッと出た。こんなこと珍しい。

普段は即、留守電になるようにセットしているのだが・・・何かの

偶然も重なって・・・相手の声も聞かずに電話に出てしまった。

 

5/29(火) 午前9時35分

ちょうどその前日、同じマンションの〇さんから明朝9時半に

連絡するって知らせがあった。〇さんは私の携帯にかけることも

あるし、家電(いえでん)にかけてくることもある。

うちの家電(いえでん)の場合、いつもならすぐに留守電になり、

「ピーッとなりましたらご用件をお話しください」に続く。

そのあと、〇さんがしゃべる。

〇さんが名乗るのを聞いてから私は電話に出る。いつもならね。

なのに・・・

その日は〇さんからの電話を待ってたもんだから電話にサーッ

と出た。しかし、声は・・・〇さんの声ではなかった。

女性だが、すご~くゆっくり、やさし~い話し方で、

「わたくし、なんとか会社の△と申します。お宅に、履きつぶし

た靴は ありませんか?」

まどろっこしいくらいゆっくりしゃべる。

 

「はぁ?」

「靴箱を 開けたら、履きつぶした靴や、かかとの擦り切れた

靴がありませんか?」

「なに、言ってるの?」

「どこの家にも1足や2足はあると思いますが、そういう靴を

私どもで引き取りますが・・・」

「結構です、そんなボロ靴、自分で捨てます!」

ガチャッ!と切った。

 

ははーん。

これが貴金属出張買取かぁ・・・と思ったわけ。

最初は、ボロ靴引き取りを装って、高齢者を引っ掛けるのね。

こうやってアポを取って高齢者の家に行くんだ・・・。へ~

家に行ったら、客に呼ばれてきたんだから押し売りではない

ってことね。独り暮らしの高齢者の家に入り込んで、そこで

強引に、または長時間粘って、やさしくするか、すごんだり、

言葉巧みに年寄りをだまして貴金属をただ同然で持って

いくわけね。

ははーん。

あんなにゆっくりしゃべってくれて、あんなに優しい話し方

をされると、家族がいない人や、家族がいてもあまり会話

してない普段から寂しいお年寄りは・・・何でもしゃべって

しまうのだろうな~って思った。

 

自分はバカみたい、せっかく留守電をセットしてるのに、

電話なんかに出るんじゃなかった。今度から今までのよ

うに留守電のままにしとかなきゃ。

 

で、その数分後にほんものの〇さんがうちの玄関に現れた。

電話ではなく、直接わが家に来たのよ!