毎日新聞大阪社会部取材班著
『介護殺人・・・追いつめられた家族の告白』より
187ページ
そのまま引用します
「2010年6月ごろ、ケアマネージャーの勧めで
「陽だまりサロン」に初めて顔を出した。
集まっていたのはみんな介護や家事に苦労してい
る男性ばかりだった。
「ここで自分のつらさを打ち明けたら、目の前の
雲が腫れていくように、気持ちがすっとしました
わ。みんなおんなじように苦しんでいる。自分だ
けと違うんやとね」
///////////////////////////////////
260ページ
そして、多くの経験者が口を酸(す)っぱくして言う
ことがある。介護が始まったら、とにかく一人で抱え
込まず、時には手を抜くことが大切だ、ということだ。
介護は終わりが見えないことが多い。10年、20年と
続くかもしれない。
真夜中に何度も起こされて、睡眠不足になることも珍
しくない。認知症の症状に戸惑ったり、汚物の処理に
嫌気がさしたりして、精神的にも相当な負担となる。
若いころには何でもなかったことも、年齢を重ねると、
疲れやストレスとなってマグマのようにたまっていく
ものだ。
心と体が悲鳴をあげているのに、じっとがまんし続け
ていると、いつの間にかうつ状態などになって心を病
んでしまう可能性がある。(途中省略)
毎日がきつくなってきたと感じたら、ショートステイ
などを利用して数日間でいいから「レスパイト」を取
ってほしい。
※レスパイト=一時休止、休息
(途中省略)
また、行政や支援団体が主催する介護者の集いなどに
思い切って参加して、抱えていた不満や悩みを打ち明
ければ少しは心が晴れるかもしれない。
介護者支援をうたった法整備がされておらず、介護
家族の支援策に乏しいのが現状だが、心を砕いて支え
てくれる人はきっと周囲でみつかるはずだ。
///////////////////////////////////
だん・だんスタッフより
そういう大変な介護者を助けるなんてことは、私たちには
できないですが、介護者のお気持ちはだん・だんで、じっ
くりお聴きします。介護者の皆様のほっとできる居場所に
なればいいな~と思っています。